セックスレスで離婚はできるのか?
目次
1 セックスレスという言葉
セックスレス夫婦という言葉が近年知られるようになってきました。
ストレスの多い社会で、夫婦喧嘩になったり、その結果、性交渉を持たなくなるということがあると言われています。
しかし、単に性交渉の回数が減ったことだけで、夫婦の愛情がなくなったと言うことではないでしょう。
夫婦のあり方は、その夫婦ごとにあり、こうでなければならないという決まりはありません。
特に性交渉に関することは、非常に繊細な問題で、第三者が介入することのに躊躇される問題です。
2 セックスレスを理由に離婚できるのか?
性交渉について、法律で何か決まりがあるわけではありません。しかし、夫婦の性交渉は、夫婦にとって重要な問題で、判例でも「夫婦の性生活が婚姻の基本となるべき重要事項である」としています。
その上で裁判上の離婚原因となる「婚姻を継続しがたい重大事由」に該当するとしています。
性交渉の問題は性的嗜好の問題も含む広い意味での夫婦間の性の問題で、セックスレスは性の問題の一種であると言えるでしょう。
では、セックスレスがどのような場合に離婚原因になるでしょうか?
夫婦間で納得して性交渉を行っていない場合には問題ないでしょうし、高齢のため性交渉を持つことが出来ない場合も離婚原因とはなりません。病気のために性交渉を持つ事が出来ないなども正当な理由があります。
裁判例では、夫が妻に性交が出来ないことを隠して結婚し、結婚後も性交渉ができない状況が続いているケース、夫がアダルトビデオを見て、自慰行為に耽り妻とのセックスを拒否したケースなどで離婚が認められています。
3 セックスレスの問題は相談しにくい
セックスレスは繊細な問題だけに第三者に相談自体がしにくく、悩んでいる方が多いと思います。友人や親族に相談などもなかなか出来ないと皆さんおっしゃります。
しかし、上述したように性交渉は、夫婦にとって非常に重要な問題であることを判例も認めています。
相手に性交渉を持たない理由を尋ねても、きちんとした答えが返ってこないこともあるでしょう。
理由もなく、性交渉を拒否している場合であれば、離婚原因になることは十分にあり得ます。
4 セックスレスには証拠がない
セックスレスは、証拠らしい証拠がなく、具体的にセックスレスになった期間、交渉を拒否された経緯などから夫婦関係の破綻を立証していかなければなりません。
証拠がないのはある意味当たり前で、それで離婚が認められないと言うことにはなりません。
セックスレスで証拠がないのは当たり前のことです。それでも離婚が認められているのは、性交渉はそれだけ夫婦にとって重要な問題だからです。
具体的にどのように立証していくのかという難しい問題はありますが、どのように立証するかは弁護士に相談してください。事情をしっかりとお聞きし、どのように進めていくかを一緒に考えていきます。
5 まとめ
セックスレスの問題は繊細で相談しにくい分野です。これで離婚できるのかとお悩みの方も多くいます。
弁護士法人アイリスでは、セックスレスの離婚についても多くの件数を取り扱っています。
まずはご相談することをおすすめします。