離婚調停を申し立てられた方へ
目次
1 離婚調停とは?
夫婦で話し合いをしても、離婚が合意できない、親権や養育費、財産分与などの話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所で調停を行うことになります。調停も、話し合いであることは協議離婚と同じです。
最大の違いは、裁判所で行われる手続きであること、家庭裁判所の調停委員を挟んで話し合いが行われることです。
調停委員は、男女2人がペアとなって、双方の話を交互に聞きながら、解決に向けて調整をしていきます。担当する裁判官もいますが、調停の場に出てくることはほとんどありません。
2 離婚調停を申し立てられた場合の流れ
調停を申し立てられた場合、家庭裁判所から申立書、呼び出し状などが届きます。
調停は相手が申し立てることを知らなければ、突然書類が届くことになります。
どこの家庭裁判所に行くことになるかは、原則として申し立てられた側の住所地を管轄する裁判所になります。
つまりこちらの住所地です。
ときおり、申し立てた相手方が別居している場合などに自分の住所の家庭裁判所に申し立てをしてくることがあるので、注意が必要です。
よく分からないままその住所地でいいと回答すると、相手の住所地の家庭裁判所まで出向かなければならないことになってしまいます。
また、裁判所からの書類を受け取らない、受け取っても期日に裁判所に来ない人もいますが、それはやめておくべきでしょう。
相手が調停期日に出席し、こちらが欠席すれば、相手の意見だけを調停委員が聞くことになってしまいますし、不利な方向で話が進んでしまいかねません。
さらに調停が不成立になって裁判に進んでしまうおそれもあります。裁判所からの書類は無視せずにきちんとした対応をするようにしましょう。
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3 離婚調停を申し立てられた際の準備
(1)出席の可否の確認
第1回目の期日は家庭裁判所から申立書や呼び出し状が届いてから3~4週間ほど後に指定されていることが通常です。
まずは指定された調停期日に出席できるかどうかを確認しましょう。
調停は平日に行われ、1回の期日は1~2時間程度となることが多いのですが、期日では調停委員が双方の意見を聞き、紛争のポイントを把握したうえでその後の調停の進め方を決めますので、場合によっては2時間以上かかることもありますので、余裕を持たせてスケジュールを調整しましょう。
指定された期日にどうしても出席が出来ない場合には、早めに裁判所に欠席の連絡をしましょう。
初回期日を欠席したとしても、連絡を入れておけば不利に働くことはありません。
なお、これといった理由もないのに連絡もなしに調停を欠席すると過料を科せられる可能性もありますのでご注意ください。
(2)配偶者の主張の確認
調停を申し立てられた場合、争点は何か、法的にはどのような問題があるのか、ご自身の希望により近い解決に導くためにはどのような主張をし、どのような証拠を集めなければならないのか、相手の主張への反論の検討等、すべきことは沢山あります。
争点の把握は裁判所から送られてくる申立書を見れば概ね分かります。
申立書には、子の親権・養育費・財産分与・慰謝料・年金分割といった請求を行うか否か、配偶者がどういった理由で離婚を求めているのかについて記載されています。
更には面会交流・婚姻費用について請求されている場合もあります。
また、送付された書類の中には入っていなかったとしても、裁判所には配偶者から「事情説明書」等の書類が出されていることがあります。
事情説明書には、申立書に記載された争点についての配偶者の考え方が申立書よりも詳細に記載されています。
事情説明書は、裁判所に閲覧謄写の申請を行うことにより入手することができますので、忘れずに申請を行いましょう。
(3)提出書類の準備を行う
調停の時間は限られていますので、限られた時間でより充実した話し合いを行うためにも、期限までにご自身の意見を記載した「答弁書」や裁判所から届く「事情説明書」を提出します。
これにより、当事者双方の争点に関する意見やそれに関連する主張・反論が第1回調停期日前に出揃いますので、裁判所も当事者の意見を把握したうえで調停に臨むことができ、調停をスムーズに進めることが出来ます。
答弁書には、離婚をするか・しないか、親権者をどちらにするのかのほか、養育費・財産分与・慰謝料・年金分割について、それぞれご自身の意見を記載します。
答弁書や事情説明書は配偶者も見ることがありますので、配偶者に知られたくない事情を記載しないように注意しましょう。
また、答弁書には関係する証拠を一緒に提出することも出来ます。
その証拠にもしも配偶者に知られたくない情報(例えば住所等)が記載されている場合には、必ずマスキングの処理を行ってから提出します。
どうしても配偶者に閲覧されたくない書類を提出せざるを得ない場合には、提出の際に「非開示の希望に関する申出書」を併せて提出しましょう。
4 離婚調停を申し立てられた際に注意すべきこと
(1)配偶者から暴行や脅迫を受けていた場合
配偶者から暴力や脅迫を受けている場合、居所を隠したり調停で配偶者と遭遇することを避けなければなりません。
この時は、期日前に必ず裁判所にこの事実を伝えておくため、申立書に同封されている「進行に関する照会回答書」に暴力や脅迫を受けていることを記載して提出します。
この回答書は配偶者が見ることはありませんので、事実を書いても構いません。
もしも照会回答書に書くことも怖い場合には、裁判所に電話で連絡を入れる方法でも構いません。
また、上述したとおり、配偶者に知られたくない情報が記載された証拠へのマスキングや非開示の申出を行うことも必要です。
(2)調停期日への無断欠席を避ける
先に述べたとおり、指定された期日に出席できない場合には、その旨を必ず事前に裁判所に伝えましょう。
正当な理由がないのに無断で調停を欠席し続けた場合、過料の制裁が科せられる可能性があるだけでなく、手続きを進められない結果調停が不成立となり終了し、配偶者から訴訟を提起される可能性があります。
調停は欠席していれば離婚を強制されたり配偶者の求める離婚条件が認められることはありません。
ですが、裁判となれば、申し立てられた側(被告)が欠席したとしても、申し立てた側(原告)の主張や証拠から離婚の可否・親権・慰謝料・財産分与等について裁判官が法に則って判断し結論が出されます。
事案によっては、離婚の可否や親権について調停に無断で欠席し続けた事実を以て、離婚訴訟で望まない結論が出される可能性もあります。
また、婚姻費用調停は、調停が不成立になると自動的に審判に移行します。
審判では裁判官が適正な婚姻費用の金額を算出し、義務者に支払うよう命じます。
ご自身の事情を一切考慮してもらえず、本来よりも高額な婚姻費用が認められてしまうこともあります。
4 離婚調停を申し立てられた場合は弁護士に相談するべき
調停においては、どのように進行するべきか、十分な検討、準備が必要です。
これには正確な法的知識が不可欠です。
よくわからないまま調停にのぞみ、不利な内容で調停が成立してしまったケースも多くあります。
離婚は法的知識だけでなく、調停での主張の仕方、調停委員がどのように進めようとしているかなどを見極めていく必要があります。
相談に来られる方で、調停委員が信用できない、こちらの不利に進められているのではないかと不安に駆られている方が多くいます。
弁護士に相談すれば、相手方の主張、法的な意味合い、今後の進め方などについてアドバイスを受け、調停への準備をきちんとすることが可能になります。
この弁護士への相談は、裁判所から書類が届いた場合、すぐにでも相談するべきです。
第1回の調停期日より前でも、あまり時間がない場合もありますし、裁判所へ相談前に書面を提出してしまったりしている場合などがあります。
事前に適切な準備をするためには、余裕を持って相談することをお勧めします。
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